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zoom RSS 標準軌の利点

<<   作成日時 : 2015/03/18 13:00   >>

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Railway Gazette International誌の2014年12月号、なかなか面白い記事がたくさんあったのですが、最後の方に「アフリカに標準軌を」という記事が出ていました。標準軌と狭軌の比較がいろいろ行われていて面白いです。書いたのは南アフリカ(狭軌国)の鉄道関係者のようです。

著者はまず、他の交通機関に対して鉄道の利点はレールに支持されて多くの車両を連結して運行できることであるとし、そのために本質的に大きな競争力を持ちうるのは大容量貨物輸送(石炭や鉄鉱石など)、高速旅客輸送、インターモーダル輸送(コンテナ輸送やピギーバック輸送など)であるとし、それよりいくらか劣って都市交通(連結能力で大輸送力を発揮する)があるとします。そして、南アフリカの大容量貨物輸送の例であるシシェン-サルダニャ線について、狭軌で26トンから30トンまでの軸重しか許容できないがゆえに、標準軌で40トンの軸重を許容できる路線に比べると、輸送能力の割に車両数が多いとします。一方、都市交通では停車時間短縮のために2階建てはできないし、満員で乗せても限界の軸重には達しないし、多くの車軸に分散して動力を持たせれば1個ずつの電動機の出力は低くて済むから、狭軌でもそれほど問題にはならない、としています。

世界的に見て、狭軌の占める輸送トンキロ・人キロは約5パーセントにすぎないのだそうで、このために標準軌の車両でまず技術開発して、それを狭軌の車両にスケールダウンすることが多く、技術の開発は遅れるとしています。狭軌であるために車輪間が狭く電動機の出力は制約され、また空車と積車の比は軸重に大きな影響を受けるために狭軌の方が悪く、同じ輸送に対しては狭軌の方が高価な車両になるとします。ダブルスタックトレインのような積み上げた輸送は、狭軌では重心の高さゆえにほぼ不可能で、また高速鉄道を実現するのも狭軌では安定性の観点からほとんど無理だろうとします。

世界的に、アメリカ、中国、ロシア、インドの4大鉄道貨物輸送大国で、全世界の38パーセントの鉄道網しかないのに86パーセントの貨物を運ぶのだそうで、これも狭軌ではこんな輸送量は不可能だ、としています。したがって、アフリカにもこれから開発するなら標準軌の鉄道が必要だと著者は主張し、現行の狭軌の鉄道網は、どうせごく一部が大きな輸送量を持つだけで後は大した輸送量が無いから、移行もそれほど問題ではないと考えているようです。

鉄道の専門家がこういうことを考えているというのは興味深いです。他の専門家からはまだ異論も出るのでしょうけど。日本で異様に都市鉄道が発達しているのも、狭軌がそれほど制約にならなかったからだというのはこの主張から説明ができることになります。一方で新幹線を実現しようとするときに、標準軌を選ばなければならなかったのもある意味必然ということになります。そして貨物輸送がこれほど衰退してしまったのも軌間の制約だ、ということで説明できてしまいますね。

やはり、普段それほど意識していなかったですけど、狭軌の制約というのはこれほど大きいのだなと思いました。日本が最初から標準軌を採用していれば、今の鉄道はどうだったか、と思うばかりですね。

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