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zoom RSS アムトラック脱線事故

<<   作成日時 : 2015/05/14 13:00   >>

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アメリカのニューヨークとワシントンD.C.の間の北東回廊線で、アムトラックの列車の脱線事故があったようです。急カーブに速度制限を大幅に超過して突っ込んだようなので、福知山線の脱線事故と同じ人的ミスなんでしょうね。

アムトラックは、アメリカ合衆国で長距離旅客列車を運行している公社です。もともとは、各鉄道会社(私鉄)がそれぞれに旅客列車を走らせていましたが、アメリカの自動車と航空中心の交通体系への移行によりすっかり採算が取れなくなってしまったので、各私鉄は利益を出せる貨物列車の運行に集中することにして、長距離旅客列車を連邦政府の関与で残すためにアムトラックが設立されました。日本では、JRの旅客会社が線路を所有していて、JR貨物が線路を借りて貨物列車を走らせていますが、アメリカでは逆に貨物列車を運行している各私鉄が線路を保有していて、アムトラックがその線路を借りて旅客列車を走らせています。アムトラックは設立以来一度も利益を出したことはなく、連邦政府が税金での補助を続けています。また、アメリカ合衆国における旅客列車をすべてアムトラックが運行しているわけではなく、ニュージャージー州が補助して運行するニュージャージー・トランジットや、ニューヨーク州とコネチカット州などが補助して運行するメトロノース鉄道など、いくつか通勤列車を走らせる事業体はあります。

このように、基本的にアムトラックは線路を所有していませんが、今回事故が起きた北東回廊線は例外的にアムトラックが自社で所有する鉄道路線です。これは、ペン・セントラル鉄道が経営破綻した際に、連邦政府が介入してコンレールを発足させて路線を継承しましたが、その際に旅客輸送が多い区間としてアムトラックが特別に引き継いだ区間だからです。もっとも、先のメトロノース鉄道が引き継いだ区間もあるので、ワシントンD.C.からボストンまでの全線をアムトラックが自社の線路の上で走れるわけではないのですが。

北東回廊のうちニューヨークより南側の区間は、ペン・セントラル鉄道のさらに前身の1社、ペンシルバニア鉄道に由来する路線です。ペンシルバニア鉄道は車内信号式ATCの導入に積極的で、1920年代からすでに車内信号を装備した列車を走らせていました。蒸気機関車に車内信号を装備するというのが凄いですが。1935年にはニューヨークとワシントンD.C.の間の電化が完成し、有名なGG-1形電気機関車が牽引するようになります。したがって、現地もはるか昔からATCが装備されている区間のはずで、それでどうしてこんな事故を、と思ってしまいました。調べてみると、どうもペンシルバニア鉄道式ATCは、先行列車との間隔は制御するけれど、曲線による速度制限は適用しないようです。これでは、先行が空いていればいくらでも速度を出せてしまうわけで、人的ミスで容易に事故になりますね。

こちらの記事だと、ACSESという新しい装置の導入予定があった、と書いてありますね。ただ、ACSESは、高速列車では既に使っていたような気がするので、事故を起こしたノースイースト・リージョナルのような一般列車に装備されていなかっただけではないのか、という気もします。また、アメリカでは現在PTCという新しい保安装置を全米規模で導入するプロジェクトが進んでいるので、それとは別に新しい装置を今から入れるだろうか、という感もあります。PTCは、作業量的に追いついていないらしくて、遅れに遅れています。

日本も同じような理由での事故を起こしておいてなんですが、アメリカの鉄道の事故率というのは凄いものですね。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
尼崎列車脱線事故を思い起こされる事故ですね(スピード超過が原因)
あのJR北海道のようなレールの不具合の事故ではなさそうですね。
とうこ
2015/05/15 06:07
レール不具合ではないですね。
保安装置の未整備でしょう。
Tamon
2015/05/16 00:28

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