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zoom RSS 肥前竜王駅重大インシデント

<<   作成日時 : 2015/05/22 13:00   >>

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今日は、長崎本線肥前竜王駅で、列車が在線している番線に対向列車が進入してしまう重大インシデントがあったようです。

外形的には、上りの「かもめ20号」が肥前竜王駅の副本線に在線中、下りの「かもめ19号」がその副本線へ入りそうになり、運転士が気付いて非常ブレーキをかけて、「かもめ19号」の2両目までが進入した時点で停止し、停止した時点での先頭車同士の距離は93メートルだったそうです。直前に、「かもめ19号」が異音を感知したために停止しており、このために本来肥前鹿島で「かもめ20号」との交換をするはずだったのを、肥前竜王での交換に変更して、「かもめ20号」を1駅前に進めた、という状況だったようです。

一番詳しくJR九州の説明を書いているのは、探した限りではこの毎日新聞の記事でしょうか。これはでも、図が無いのでわかりづらいですね。

推測を交えながら、わかることを少しずつ整理してみると、まず副本線に先に入ったのは「かもめ20号」です。この列車は、正しい停止位置目標で止まっている様子が写真などで写っているので、停止位置は所定通りです。この時点で、「かもめ19号」はどこにいたか、というのが問題ですが、少なくとも分岐器の位置は越えてはいないことは確実です。そして、19号運転士は46キロメートル地点にいると申告したが、下り場内信号機は46キロ160メートルの位置にあるので、160メートル手前に止まっていると判断した、しかし実際には場内信号機のすぐそばだった、ということなので、おそらく信号機ぎりぎりの位置に停車していたということなのでしょう。

もともと、19号は肥前竜王を通過の予定で、20号とは肥前鹿島で交換の予定ですから、おそらく19号に対して肥前竜王の本線への進路を引いてあったものと思います。通過引きなので、下り出発進路→下り場内進路と引いてあったはずで、20号を肥前竜王の副本線に進ませるにはこの進路をキャンセルする必要があります。おそらくその操作を指令が手動でやっており、結果として下りの進路は未確保の状態に戻ったのでしょう。19号が、場内信号機の内方の軌道回路を踏んでいたらこの操作はできないはずですが、実際には踏んでいませんでした。

20号に対して、肥前竜王の副本線への上り場内進路を引いて、列車を副本線へ進めます。この時、副本線には上り方への安全側線が無いので、過走防護として上り方の分岐器が副本線側に転換したものと思われます(上り場内に警戒現示を出せるか、過走余裕があれば、過走防護は不要?)。列車が副本線に収容されて一定時間が経つと、この転轍機の鎖錠は解錠されます。

この状態で、指令は19号が場内信号機の160メートル手前に止まっていると認識しているので、信号機までの前進を命じた? ということでしょうか。しかし、19号の運転士は、場内信号機の内方にいると認識している(本来、内方にいれば20号の副本線進入はできないのではないかと思われるので、この認識はおかしい気もする)ので、場内信号機の停止現示は自列車の在線によるものだと認識し、進路キャンセル前の進行現示に従ってそのまま列車を進めた、ということでしょうか。そして、ATSの地上子はもう過ぎていたので非常停止の電文は送られず、そのまま入れてしまい、分岐器は上り列車に対する過走防護のために転換したままだったので副本線に進入、といった流れになるでしょうか。これだと、綺麗に説明が付く気がします。

しかし、仮にこの想像が正しいとすると、非常に微妙なところを突いてきましたね。鉄道事故というのは常に、実に微妙な弱点を突かれて起きるものですけど、これは微妙すぎます。本来、人が誤りを犯しても、機械が完全に止められなければならないのが鉄道信号の大原則ですけど、この想像通りの場合は連動装置がおかしいわけではないですし、信号システムとしては所定の動作をしていることになります。場内信号機が停止現示なのを冒進したのが悪いのですけど、それはATSで止めるのが所定でしょう。しかし、場内信号機ぎりぎりまで前進していると、直下地上子でも非常停止電文を送信できない、ということがありうるということでしょう。仮にそうだとすると、ATS-Pのようなパターン制御のATSでも解決にはなりません。直下地上子の設置位置の見直しが必要になるのかもしれません。

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コメント(2件)

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事故の詳細説明ありがとうございます
ただ疑問がここの区間にCTCは設置されてなかったんでしょうかね?
それにしても大惨事直前で止められてなりよりでした。

駅構内列車の接近では今の大阪難波駅では行われているのかはわかりませんが以前の近鉄難波駅時代では特急発車ホームでは二つの列車が連結直前まで接近して待機してたのをおもいだします(国土交通省からもお叱りを受けていたそうです)
とうこ
2015/05/23 08:22
CTCは入っていたはずです。
電子閉塞の区間以外で、かつ鹿児島周辺以外は、JR九州の幹線はすべて博多総合指令です。
近鉄は誘導信号か場内信号の分割とかで対応していたんじゃないでしょうかね。
Tamon
2015/05/24 00:40

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