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zoom RSS 図録・仙山線交流電化試験

<<   作成日時 : 2015/11/03 13:00   >>

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東北福祉大学鉄道交流ステーションのブックレットの第3号『図録・仙山線交流電化試験』を読み終わりました。第1号が『交流電化と鉄道の発展』で、第2号は貨物輸送の話でしたから、第1号に続いて交流電化の資料をまとめた号が第3号に出たという感じです。

前回の本が、作並で助役をしていた人の講演の議事録という感じだったのに対して、今回はいろいろな資料から集めてきた記事の集成という感じになっています。交流電化試験線当時の関係者の間で作った会があって、そこで作った非売品の記録があるのだそうで、そこからかなり多くを収録していました。こういう記録がある程度表に出る形になるのは嬉しいことですね。

仙山線の交流電化試験は、とにかく安く上げろという指示の下に廃品をかき集めて造ったという話があります。その中でも、変電所に据える変圧器は東海道本線大船変電所で使っていた廃品を持って行ったので、電圧が60kVから20kVに変換するものとなり、結果的に交流電化の饋電電圧が20kVになったのだそうです。商用周波数交流電化では、世界的に25kVが標準電圧なのですが、なぜ日本が20kVなのか、というのはいろいろ議論があるところでした。一説には、日本の送電網の電圧階級上、20kVが有利だったのだ、という主張を見たことがありましたし、工学院大学の曽根先生は、単に25kVでやっていたフランスの猿真似と言われないように、簡単に変えられるところを変えてみただけではないか、という話をしていました。しかし、関係者談だと廃物利用で決まった、ということなので、意外な感もあります。

この廃品再利用で造った北仙台の変電所はかなりボロで、見学に来た東北電力関係者が衝撃を受け、仙台に給電する最重要の送電線にこんなものを繋げないでほしい、と本社に呼び出されてお叱りを受けたそうです。なかなか面白い話ですね。

他にも、橋梁の上に電柱を立てたくなかったので長い斜吊式の架線吊架法を試してみたけれど、結局パンタグラフからの押し上げ力にも横風にも弱くて、30年くらいして電柱を立てる方式に変えてしまった、とかそういう話を書いていました。

この手の話は、関係者が物故されていくとほとんどわからなくなっていくことなので、できるだけきちんとした記録を作って後世に残してほしいです。こういう資料は本当にありがたいことです。

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コメント(4件)

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交流電化のテストは新幹線で大輪の花を咲かしましたね。

とうこ
2015/11/04 13:45
新幹線と柿岡対策でしか、もはや意味が無い気がします…。
Tamon
2015/11/05 00:00
reありがとうございます、交流電化は踏切などの多い線区では、今ではあまりニュースにはなりませんが、ショートや感電事故被害がが直流線区のそれとくらべ重篤な結果になりますからね。
JR西日本では新快速運用の利便性の延伸で北陸線の敦賀駅まで直流化しちゃいましたしね。←(かなり古い話題ですけどね。)
とうこ
2015/11/05 07:18
それにコストがもうあまり安くないという話が。
車両コストが結構高くつきますからね。
Tamon
2015/11/06 01:14

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