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zoom RSS ドイツ国鉄の戦い

<<   作成日時 : 2016/09/14 13:00   >>

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『歴史群像』誌の10月号で「ドイツ国鉄の戦い」という記事が掲載されているというので、思わずKindleで購入して読んでしまいました。それ以外の記事も面白そうなのですけど、今のところまだ読んでいません。

ナチス政権が始まった頃のドイツ国鉄とドイツ経済の状況から説き起こしています。いかにナチスが自動車好きで、アウトバーンの整備をやっていようとも、当時の輸送の実情は圧倒的に鉄道頼みであり、特に石炭の輸送に経済が依存している状況であったようです。ドイツでは、もう少し運河での輸送の比率が高いかと思っていたのですが、意外でした。これは日本とはやや事情が異なり、もちろん鉄道への依存度は日本でも高かったのですけど、北海道炭や九州炭の京浜・京阪神地区への輸送は鉄道よりも内航海運が主力でした。戦争が始まって船舶が徴用されるようになり、さらに危険性が高まって航行ができなくなってくると、これらの石炭輸送がそのまま鉄道にのしかかって大変なことになるわけです。

そして、第二次世界大戦がはじまると、膨大な軍需輸送のためにドイツ国鉄が追われていた状況が描かれます。かなり鹵獲機材に依存していたのですね。それに対して、対ソ戦が開戦すると、線路は意外とそのまま占領できたものの、ソ連軍が徹底して機関車を持ち去っていたために鹵獲ができなくなり、結果的に標準軌に改軌して膨大な自国の機関車を投入せざるを得なくなります。貧弱な東部占領地の鉄道網の増強に必死になる様子、機関車の増強を巡る責任問題など、数値を挙げながら説明されています。

ドイツの鉄道網に対する連合国の攻撃の影響も描かれ、最終的な破綻へ向かう様子がよくわかります。日本だと、ここまで鉄道網への集中した攻撃が実施される前に終戦になるため、これほどの破綻状況にはなりませんでした。

英語の書籍ばかり4冊が参考文献に挙げられていて、さすがにドイツ語の本を読むのは厳しいか、と思わされました。しかし、英語でこれだけの情報が得られるのであれば、やはり英語圏の人は有利ですね。

ドイツ国鉄の戦時の状況が良く描かれていて良い記事です。しかし戦時機関車のBR52の活躍、といった話はほとんどないので、車両趣味の人にはそこまで興味を持てないかもしれません。こういう記事がもう少し日本でも増えてくれるとよいのですが。

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似たような図式はそれに遡ること約40年、日露戦争ですでにありはしましたが、調べる限りでは最初から3'6"軌間に縮小し、日本国内用の機関車を持ち込む形だったようです。勿論、ロシア側機関車は独ソ戦同様事前に可能な限り引っ込められていたわけですし(敷設当初から外国が鉄道で攻めてくることを予想はしていたのでしょう:ただそうすると業々標準軌と微妙に違う線路幅を使うという選択肢は屋上屋にも見えます)、日本国内規格車といっても荒方輸入品ですが。
偶発的ながら、冬場に縮軌区間で暖を取るため枕木の不要部分(規格差から軌間差以上の長さ、概ね60〜90センチとれます)を勝手に切って燃してしまった所が多々あり、副次的に日本側は攻め返されなくなった代わり後の標準軌化で枕木の再交換を強いられた、という話もあります。
(2100ミリの枕木に5ft軌間を敷くと両端は19センチずつしか残らない。ベトナムなどでは1800ミリ枕木でメートル軌を敷くそうで、ここまで切っても3’6”軌は勿論敷けますが5ft軌は枕木にほぼ収まりません)
そもそも軌間差が85〜89(公称値)ミリしかない標準軌とロシア軌では、こういうことは起こり得ず、ゆえに鹵獲機体を当て込んだのでしょう。
軽く日露戦争を調べた限り、「観戦武官」なる各国軍人が派遣されてきており、それから40年後の話としてはかなり杜撰です。
たづ
2016/09/19 00:28
日露戦争でもありましたね。

ドイツの場合、どういうわけかポーランド戦やフランス戦では大量に相手方機材を鹵獲できていたようでして。全国土を占領したから退避する意味がなかったのかもしれませんが。
Tamon
2016/09/20 01:41

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