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zoom RSS 国鉄改革の真実

<<   作成日時 : 2017/05/02 13:00   >>

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出かけるのが続いていたこともあり、今日は自宅でのんびりしていました。

葛西敬之氏の『国鉄改革の真実』を読みました。前回読んだ『未完の「国鉄改革」』が2001年に出版されたのに対して、こちらは2007年に出版されたものです。

前回の本が、葛西氏が国鉄に入社して以来の、国鉄の腐った実情から説き起こして国鉄改革に至る経緯をまとめていたのに対して、今回の本は主に国鉄改革がいかに実現されたかのあたりを重点的に取り上げている、という違いがあります。前回の本の方が広い範囲を薄くまとめ、今回の本が国鉄改革の5年程度の期間を重点的にまとめた、ということです。また、JR東海が発足して以降の経営の流れについても、今回の本で取り上げていました。

前回の本ではそこまで突っ込まれていなかったことが、今回の本では橋本龍太郎や三塚博といった自民党の政治家の実名を挙げながら、どのようなやりとりがあったかまで説明されています。また社会党の政治家がどのように働いていたのか、総評の上層部がどのように動いていたのか、やはり実名を挙げて説明されており、このあたりの流れを把握する上では重要な文献になっているように思います。国労のあまりのまとまりのなさに、総評上層部ですら匙を投げていたのですね。

そういう面では重要な本なのですけど、後半の方は、国鉄改革の枠組みのうち、葛西氏が納得できなかった仕組みについてひたすら不満を書いている、といった内容になっています。特に、新幹線鉄道保有機構の成立とその解消については、延々と書かれていますね。まあそのおかげで、リース料の計算の仕組みなど、かなり詳しいことがわかる内容になっています。さすがに、減価償却費が計上できない仕組みであったのは問題でしょうね。

一方、JR貨物が成立した経緯に疑問を呈していますけど、これはどうなんでしょうね。旅客会社6社にそれぞれ帰属させて、連絡運輸で全国営業をするはずだった、というのですけど、さすがに長距離輸送が主体となる貨物輸送で、地域分割はあまりにナンセンスな気もします。

そういう点は目につくものの、やはり改革の内部にいた人の重要な証言であるようには思います。

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東京〜九州のブルトレが貨物に似た例で、車両は検査の関係から東日本か九州に所属となっていましたが、東日本には全区間乗車のお客の運賃・料金が東京〜熱海の普通電車の電車賃とほぼ同じ程度しか入らなかった、といいます。
夫々が単独で採算に乗る金額の合算:まあ私鉄の乗り入れはそういう枠組みですが−とすると運賃が高騰して誰も乗らなくなってしまったでしょうから、史実より早く消え去ったでしょう。
勿論、貨物もそれが当てはまります。ただ、宅配便のたぐいは田舎だと発送業者とは違う運送会社の手で届くことがまれにあります。委託/受託関係があると推測しますが、葛西氏の説はそういう会社の精算のしかたを援用するつもりだった、という意味にもとれますね。
アメリカだと鉄道は貨物が本業ですから、運賃のやり取りはどうやってるのでしょうね。複数の会社に跨がる経路も多々あるはずですが。
たづ
2017/05/04 00:20
アメリカの貨物営業の仕組みは興味深いですね。今やアメリカの1級事業者は5つしかないので、昔ほどの問題にはならないのでしょうが。今でも、直接荷主とやり取りする細かい部分は大鉄道会社は苦手で、ショートラインと呼ばれる地域の引き込み線を営業する小さな会社に委託する方が顧客満足度も高いとかいう話もありますし。
Tamon
2017/05/04 20:53

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