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zoom RSS 単線新幹線案

<<   作成日時 : 2017/11/02 13:00   >>

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四国新幹線を単線方式で整備する提案が出ているそうです。四国の4県庁所在地すべてを結ぶ推定工費は、複線の場合の1.57兆円から1兆円に削減できるそうです。

新幹線のような高速鉄道で、単線を採用するのはなかなか評価が難しいですね。安全性の問題は、きちんとしたATCを整備すれば気にならないと思いますが、他にもたくさんの問題があります。

たとえば、ほくほく線にあったような単線断面トンネルでは、あまり高速を出せないでしょう。そのため、単線ではあってもかなりの大断面を採用しなければ現実的に高速を出すことは望めず、単線を採用することによる経費削減が限定的になります。新幹線は諸外国の高速鉄道に比べて、現行の複線であってもトンネル断面がかなり狭めです。そもそもヨーロッパの高速鉄道は、単線トンネルを2本掘ることが多いですが、その単線トンネルでも日本の新幹線の複線トンネルに匹敵する断面がある場合もあります。

そして単線だと列車交換が避けられないわけで、分岐器を設置することになります。現状、曲線分岐方向に速度制限を最大に緩められる分岐器は、国内で使用されているものは38番分岐器で、その制限速度は160km/hです。停車駅であれば気になることのない速度ですが、部分的に複線区間を設けた信号場と考えると、進入時に速度制限を受けることになりますね。

そういう面についていろいろ検討した論文(PDFファイル)があると紹介をしてもらいました。山陰新幹線京都-松江間で単線新幹線を想定し、線形を設定して実際的なダイヤを組んでみたというものです。全列車各駅停車で双方向とも30分に1本の設定をして、表定速度は150km/hを超えるそうです。これくらいなら十分なメリットがありそうですね。ただ、山陰新幹線クラスの全長があると、通過タイプの列車を設定したくなりますが、この線形ではそれはまったく無理ですし、近くに山陽新幹線という既設の路線がある場所だと、そこからの分岐線を造る場合との比較になりますからね。

そして、この程度の線路を造るためにどの程度のコストダウンを見込めるか、というところも気になります。用地費は減るといっても、高架橋を建設する場所だと側道の用地も買収が必要なので、単線にすることで減らせる用地買収面積は大したことがないでしょうし、地方部だと土地単価は大した問題ではありません。高架橋の建設費は安くなるのでしょうが、トンネルは先に書いたようにどれだけ断面を拡大する必要があるかによって左右され、結果的にそれほど下がらないということになる気がします。停車場や信号通信、電力といったところは変わりがないでしょう。そうすると、先ほどの四国新幹線で1.57兆円から1兆円という試算は、やや楽観的ではないのか、という感があります。

実際にダイヤと建設費を詳細に検討したうえでないと、賛否を決められない案ですよね。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
単線の新幹線案〜トンネルの設計で難儀しているんですね?
でも建設開始はいつになるのやら?30年先?40年先?順番的に何年さきになるのやら?下手打つと私が墓地に眠るころ完成とかね?
とうこ
2017/11/03 16:48
そもそも、もっと予算を増やさないと北陸新幹線の新大阪開業ですらはるか先ですからねぇ。
Tamon
2017/11/03 23:01
https://policy-practice.com/db/3_61.pdf
こちらが整備費用についての論文です。
hil
2017/11/08 03:01
おお、ありがとうございます。既存の新幹線や在来線の工事実績から推計しているんですね。ただ、トンネル断面の縮減の仕方にはたぶん無理があるように見えます。この試算より、もう少しコストは増えそうです。
Tamon
2017/11/08 09:03

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