ナッチャンworldが陸上自衛隊輸送

ニュースになっていましたが、青函間を結んで運航していた高速フェリー「ナッチャンworld」が、自衛隊のチャーターにより苫小牧から大分まで、陸上自衛隊の戦車や装甲戦闘車両の輸送を行ったそうです。こういうことをやることがあるものなんですね。以前、川崎から宮崎へのマリンエキスプレスのフェリーに乗船したときには、やはり演習に参加するためとして自衛隊の戦闘車両が大量に搭載されていて驚きましたが、あれはチャーターではなく定期航路に乗船していたというところでもっとびっくりですね。

北海道側では千歳の駐屯地から苫小牧港まで戦車が自走移動したそうです。戦車は自重が大きく、機関系に負担がかかって通常移動時でも壊れてしまう確率がかなりあるので、本来は自走移動をできるだけ避けて専用のトレーラーで運ぶものなのですけど、今回は訓練だから自走させたということなんでしょうね。おそらく故障時の戦車回収用の戦車回収車も随伴したのではないでしょうか。

90式戦車は自重50t以上あるので、普通の斜路で耐えられるだろうかと思ったのですが、ちゃんとこれに耐える斜路を用意したようです。自衛隊の揚陸艦のように専用設計されているわけではない、普通のフェリーの船内で、よく床が耐えるものだと思いますが、キャタピラを使うということは接地圧はむしろ普通の自動車などよりも小さいわけですね。ただ、床構造全体が支える重量が限界を超えないようにきちんと考慮したものだと思われます。まあ、フェリーの主要顧客は大型トラック・トレーラーだと言ってよいですからその重量はかなりのものであり、戦車であってもきちんと位置を分散させて搭載すれば床構造もちゃんと耐えると思います。

事前に、同じ九州の演習に参加する装甲車が鉄道でも輸送されていました。毎年この「転地演習」というので貨物列車が走るのですけど、北海道から九州というのは珍しい気がします。それにしても、装甲車輸送用の長物車はもうこの用途にしか使われずに、1年間寝ているんですよね。それこそ、コンテナ車で代用できないものでしょうか。車両限界の関係で、74式戦車以降は鉄道輸送を諦めて設計しているそうなので、鉄道で戦車を運ぶことはできないのですけど。

こういうことにでも使わないともう用途がないくらい、ナッチャンworldは使い道がないのですかね。自衛隊が購入すればいいんじゃないかという話もあるようですが。実際に有事にこんなことをして現地へ駆けつけることが現実的なんだろうかと思ってしまいます。普段から訓練しておけばやはり違うのでしょうけど。民間所有船舶もどの程度使えるのか、搭載能力や床強度などは事前に調査されているんだろうなと思います。

それにしても、一昔前なら大変な反対運動を招いたのではないかと思うのですが、だいぶアレルギーも収まっているのでしょうか。それほど大規模な反対運動はないみたいですね。

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