鹿児島市電が走る街今昔

鹿児島市電が走る街今昔』を読みました。JTBキャンブックスの1巻です。

鉄道関係の書籍は、著者によって車両中心に書いているものと路線を中心に書いているものと両方がありますが、こちらは車両の話はほとんど出てこなくて、路線の話が中心です。最後の方に車両の形式図集や要目一覧などは載っていますが。紹介の仕方は、各電停を順番に紹介して、その電停がどのような場所にあるのか、どういう歴史があるのかを文章で説明し、また古い電停の写真と今の電停の写真を比べる、という体裁になっています。定点観測的な写真の紹介が面白いです。電停は、廃止になった上町線や伊敷線のものについても取り上げられていますが、戦時中に廃止になった小さな電停まではさすがに独立して取り上げてはいません。

各電停がどういう移り変わりがあったのかは大体わかるように書かれています。昔の写真がとても興味深いです。かつて、南日本新聞で昔の写真を紹介した時に、鴨池電停のところはかつて高架だった、とあって写真も出ていて驚いた覚えがあるのですが、昔は武之橋より南側はずっと専用軌道になっており、鴨池電停は高架になっていて立派な駅舎もあったのだそうです。これは知りませんでした。長いこと変わっていないように思われる施設も、あちこち改修が加えられてきて今のようになっているのだということが分かります。単線区間も一部にあったのに改修して複線化していたり、いづろから市役所にかけての通りを戦後拡幅工事して電車の線路を移設する工事をしているところの写真が載っていたり、といろいろ参考になります。

昔の運賃制度についても完全ではないにせよ取り上げられており、昔の系統がどうだったかもやはり完全ではないと思いますがある程度分かるように書かれています。もう少し全体の歴史の流れが分かるように書かれていると嬉しかったのですが、わからないことも多くなっているのでしょうか。一体どういう意図でこういう路線網を造ったのか、兼業だったという鴨池遊園地はどうだったのか、いろいろ知りたいことが多いです。鹿児島市交通局の公式史を読むことでしょうか。

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