自動車用第2青函トンネル

新幹線と貨物列車の競合が問題になっている青函トンネルについて、貨物列車用の第2青函トンネルを、という話は以前から出ていましたが、ここにきて自動車用の第2青函トンネルという構想を打ち出してきた有識者研究会があるようです。

在来線貨物用の第2青函トンネルは、単線で整備して5000億円くらい、という見積もりだったように記憶していますが、自動車用に整備して7229億円で済むのでしょうか。確かに、急勾配を採用することで延長30キロ程度に抑える、ということでかなり工費を抑えるのでしょうけれど、単線鉄道断面からするとかなり断面が拡大しそうに見えます。そして自動車用のトンネルの場合、給気排気で大変な動力施設と断面積を消費しますから、その点でもコストアップです。まあ精度の高い見積もりではないのでしょうけれど。

走行車線下に避難スペースと緊急車両スペースを設けるのは、アクアライントンネルで採用された方式ですね。これ自体は十分実用可能なのでしょう。しかし、やはり片側1車線という構想に強く抵抗があります。30キロにわたって追い抜きのできない急勾配トンネルとなると、走行の遅い車ですぐ詰まりそうです。故障車でも出たら大混乱でしょう。

そして何よりも、事故時の対応が心配です。こんな長大トンネルで、しかも狭い断面だと、すぐに事故になりそうです。そして火災でも起こされると、覆工に大きなダメージを受けて、長期間の閉鎖となりそうです。アルプス山脈を縦貫する道路トンネルで、何度もそういう事故が繰り返されて、閉鎖期間のあまりの長さに、ゴッタルドベーストンネルなどの鉄道貨物輸送増強策が講じられるきっかけとなりました。やはり、鉄道に頼る方式を考えた方が良いのでは、と思ってしまいます。

以前は、3兆円かけて津軽海峡横断大橋を架けよう、という話がありましたけど、あれに比べればまだ現実的な方向に収まっているのでしょうか。技術的には面白いのですけどね。

この記事へのコメント

たづ
2018年07月04日 18:39
排気も火災時の対策も考えると、エンジンのかかったままの内燃車両が急勾配を上下するのは得策ではないでしょう。現在新幹線と在来線が共用する青函トンネルですが、三線軌条の在来線として掘って、大型トラックを積める標準軌貨車(M250系のような貨物電車)とその前に繋がったミニ新幹線のような乗員添乗車の構成で海峡の間を前後する、ゴッダルトベーストンネルのような仕様が費用と事故対策の点で妥当かと思います。
20年位前だと思いますが、オーストリアのスキー場ケーブルカーで火災があった時、炎を乗り越えてでも車両より坂下に逃げた人たちは助かりましたが、上へ逃げた人は助からなかった苦い経験もあります。必然的にV字形の煙突になる海峡トンネルで、自動車の走行はリスクが高すぎます。
Tamon
2018年07月05日 00:50
やっぱりカートレインが現実的ですよね。それにするにせよ、防火対策は厳重でないといけないわけですが。英仏海峡トンネルではル・シャトルで火災事故ありましたし。

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