国鉄・私鉄・JR 廃止駅の不思議と謎

国鉄・私鉄・JR 廃止駅の不思議と謎』を読み終わりました。新書なので気軽に読めるサイズでした。ただそのためか、参考文献が一切付されていないのはちょっと嫌ですね。

日本国内の各種廃止駅について、その経緯や特徴などを、1駅につき2-3ページくらいずつ解説していった構成になっています。廃止駅を全列挙するような試みはしておらず、単に特徴があって何か書けることがあるような駅を取り上げている、という感じです。その割に、餘部駅のように未だ廃止になっていない駅も取り上げているのは何だろうという感もあります。

増毛駅を取り上げたところで、留萌本線の建設経緯を説明しています。いわく、樺太への重要連絡路線である宗谷本線は建設に時間がかかるので、暫定で留萌港につないでそこから船舶連絡を果たそうとした、というのです。この話は私は初めて聞きました。確かに宗谷本線より一足先に開通しているのですが、『北海道鉄道百年史』では単に良港の留萌港への連絡と石炭輸送としか理由を書いていません。さらに、留萌港の築港が進まないために、他の港を利用しようと増毛へ延伸したというのですが、増毛への延伸は宗谷本線が稚内まで全通する前年に過ぎないのですよね。本当に樺太連絡を狙っていたなら、宗谷本線がもう開通するというときにこういうことをするのだろうかという感もあります。また、本州方面や札幌から樺太へ行くのなら、小樽港からの船を使うのでは、という感じもします。

ただ後で、旭川に駐屯していた第7師団の樺太への展開を想定したのではないか、というう意見をもらいました。確かに旭川から樺太へいち早く移動しようとして、宗谷本線をまだ使えない状態であるなら、留萌港へ出るのがもっとも早そうです。また深川での留萌本線の接続方向も、旭川側からスルーになる向きなのですよね。何分、参考文献も明記されていないので、これがどこに根拠を持っている記述なのか、今一つ判然としません。

宮原線の宝泉寺駅を取り上げたところで、久大本線から分岐する恵良駅に「けら」とふりがなを振っているのは、明確な誤りですね。これは「えら」です。

ウィキペディアに載っているGFDLやCCの写真をいくつも使っているところとか、安く作った感じもあります。まあ軽く読む新書ですしね。内容的にはそこそこ面白かったと思います。

この記事へのコメント

hil
2019年07月21日 20:46
Wikipediaの増毛駅にそういう記述がありますが、
そこで文献とされる帝国議会議事録を見ても、見つかりませんでした。
Tamon
2019年07月22日 00:13
ありがとうございます。私も確認しました。帝国議会の議事録では、留萌港修築遅れの間の代替として増毛へ伸ばすとしか触れていませんね。当該部分のウィキペディアの記述は無根拠と思われたので、大幅に削って直しました。