中国の地下鉄の赤字

中国のほとんどの地下鉄が赤字という記事が出ています。まあ、今時鉄道を新たに建設して純利益の出るところなど、世界中でほとんどないので、そんなものかとも思われます。

しかし、1人キロ当たりの運営経費は平均0.84元、営業収益は0.48元というのは本当なのでしょうか。普通は鉄道は、当初の建設費が非常に高く、その減価償却と利子負担に苦しむものであって、営業を開始してからの運営経費は収入で賄えることが多いのですが。この0.84元という1人キロあたり平均運営経費に、減価償却費と利子負担も勘案してあるものなのでしょうか。本当の運営経費だけだと物凄い赤字ということになります。

6都市で輸送密度が7000人/日を下回らないという国の基準を下回っているそうで、これも滅茶苦茶な値に見えますね。日本だとさすがに地下鉄でこんなに少ない路線はありません。やや古いですが平成27年度(2015年度)鉄道統計年報を出してくると、旅客が少なくて悲惨といわれる神戸市の海岸線で20,910人/日、大阪市の今里筋線で24,812人/日です。中国の6都市はその3分の1もないとは恐るべき値です。中国は巨大な人口に支えられて、輸送密度だけは十分にあるのかと思っていましたが、都市によってはこんなものなのですね。

中国は圧倒的にインフラが不足していたので、たとえ赤字になろうとも中国の今後の発展には必要だと考えて膨大な鉄道投資をしてきたのかと思っていました。自動車が増えるに任せていては、都市の発展にとっても環境負荷の点から見ても問題ですからね。しかし、こんなに輸送量が少ないとなると、やっぱり都市の幹部のメンツと利権みたいな理由で造られた路線もそこそこあるのかな、と思ってしまいますね。

この記事へのコメント

たづ
2019年07月07日 00:45
日本と中国とで物価水準が異なる上、当の中国の経済成長率(≒インフレ率)もあるので一概に言えないのですが、大勢利用する日本の地下鉄の場合であっても多くの路線は最終赤字です。
ざっと検索してみた限り、記事にある地下鉄保有都市の中で、路面電車やトロリーバスが過去にも存在していなかった所のほうが多いようです。
これまで路面電車すら走っていなかった町にいきなり地下鉄を通すこと自体、かなり無茶なのではないでしょうか。4~50年前の自転車の海の中を市電が走れたか、というと難しいのかも知れませんが。
Tamon
2019年07月07日 01:06
中国の慣習上、最近になるまで通勤通学という需要がなかったですからね。原則職住近接で、大学も敷地内の寮に入るのが普通だったので、都市交通の需要がほとんどなかったというのが。それが急激に都市交通の需要が膨れ上がったので、今からだと地下鉄を造るしか、ということなんでしょう。部分的にはライトレールも整備しているのですが。