Suica/TOICAエリア跨ぎ問題

東京新聞で、Suica/TOICAのエリア跨ぎに関する記事が出ています。静岡県であるはずの熱海と、その西隣の函南や沼津などとの間でICカードで通し乗車ができない、という問題ですね。

これは技術的には、あまりにICカードエリアが広がりすぎると、運賃計算テーブルが現実的なサイズに収まらなくなる、という問題です。特に首都圏は、たくさんの民鉄・地下鉄があって相互乗り入れもあり、非常に複雑にICカードエリアが繋がっており、2駅間の運賃が一通りに定まらない(一度も乗換改札を通らずに移動した場合と、どこか途中の乗換改札を通過した場合で運賃が変わる)といった問題もあって、容易ではないことになっています。そこに静岡エリアを接続してしまうと、さらに問題の難度が激化するというわけです。

しばしば、国鉄を分割した弊害であるかのように言う人がいますが、これは国鉄のままだったとしても起きる問題です。ICカードエリアを巨大にすることができないのは技術的な課題ですし。同じJR東日本でも、首都圏エリア、仙台エリア、新潟エリアは独立しており、その間をICカードで移動することはできません。JR西日本でも、後述する技術的な改善を施すまでは近畿エリアと北陸エリア、岡山・広島エリアは独立していました。特に岡山・広島エリアと近畿エリアは近接していて、その間を移動する人が容易に想定されるものでしたが、ICカードの利用はできませんでした。

そこにJR西日本が導入した技術的な改善は、距離制限を導入するというものでした。ICカードで移動できる範囲を200キロメートル以内に限定してしまったのです。そうすることで、運賃計算テーブルが不必要に巨大化することを防いで、現実的に処理できるようにしてしまったわけです。

JR東海とJR東日本の間でも、この方式を導入すれば多少は解決するのでしょうが、それでも広島エリアまで200キロメートル以内の範囲は結構ありますし、民鉄から乗り入れてきた場合はどうするのかという問題も残りますし。自動精算機で対応できているのだから、まったく不可能ではないと思うのですが。

この記事へのコメント

たづ
2019年09月11日 22:36
紙の切符(磁気券どまり)だった民営化時点でも、類似の問題がありました。
新幹線と在来線の運営会社が異なる区間(東京~熱海と米原~新大阪、新下関~博多)についてどう扱うのか、はテレビでも流れていました。最初の1年は「新幹線振替票」なる券を交付してそれで判別する、とかやったみたいですが結果はその券を紛失する人が結構いたのか、あるいは特急券を代わりに数えればいいとなったのか、「統計的方法」で収受した運賃を配分する方法に変わりました。
ICカードでも、入出場時間を基準にすることで、ある程度は判別が効くと思います。
丹那まわりと御殿場線とで路線長が20kmほど違うほか、「乗り潰しが目的でない限り、最短経路を通過する」という前提はかなり有効だと思うのですが。
Tamon
2019年09月12日 00:18
その最短経路を適用して計算するテーブルを構築するのが大変だという話なので…。距離制限を適用しないとテーブルが現実的な時間で計算できないと思います。