JR九州の光と影

JR九州の光と影』を読み終わりました。著者の佐藤先生は鉄道の財務などの記事をよく『鉄道ジャーナル』誌で執筆しています。

さて、サブタイトルとして「日本のローカル線は再生できるのか」と書かれていますが、これは完全にタイトル詐欺であり、この本でそのような問題への回答らしきものは何も書かれていません。この本の内容は、ひたすらJR九州発足以来の歴史です。鉄道事業だけでなく、関連するバス事業、船舶事業、マンション販売やホテル経営、駅ビルのアミュプラザに至るまで、JR九州という会社の社史を外から書いたという感じです。光と影というものの、そこまで批判も称賛もなく、ただただ淡々と歴史叙述されている感じでした。

ところどころ誤りがありますね。6ページ、スト権ストが1972年となっていますが、実際は1975年です。106ページ、山野線の廃止年月日が1987年2月1日となっていますが1988年の誤りです(表の方は正しい)。153ページ、小倉-大分間の「ソニック」の所要時間が2時間9分となっていますが、その次のページには国鉄時代の「にちりん」の所要時間は1時間40分となっていて、これはあからさまにおかしいように思います。151ページでは宮崎以南の特急を「きりしま」に系統分割したのは1994年3月と書いているのに、153ページでは1995年3月となっていますね。171ページでは1997年のダイヤ改正で寝台特急の運転区間が短縮されたことに触れていますが、「富士」はこれ以前は西鹿児島まで走っていたことになっています。「富士」が西鹿児島へ走っていたのは国鉄時代の相当古い時代であって、JR九州になってからは宮崎または南宮崎まででした。199ページ、九州新幹線の部分開業に伴って設定された在来線のリレー列車を「つばめリレー」と書いていますが、「リレーつばめ」ですね。233ページ、鹿児島本線に設置された新駅をししぶ、広木、久留米大学前と書いていますが、このうち久留米大学前は久大本線の駅です。

まあ細かいことばかり指摘しましたけど、しっかりとJR九州の歴史をまとめ上げていて良い内容だと思います。タイトルとの差異が気になるくらいでしょうか。

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