九州新幹線の回生電力融通装置

JR九州が、九州新幹線に回生電力融通装置を導入するそうです。11月28日から新みやまき電区分所で導入だそうです。

電力使用量の3パーセントを有効活用できる、としていますが、これは実は、全体として見て省エネになっているわけではないのですよね。新幹線は交流電化であり、交流電化区間の変電所は単なる変圧器と遮断器の組み合わせです。電力網とは単純につながっているのであり、回生ブレーキが作動して架線電圧が上昇すると、勝手に変電所から電力網へエネルギーが返っていってしまいます。したがって、回生電力は電力網のどこかで使われています。三相不平衡をもたらすことが電力会社に嫌われそうですけど。

ただ、変電所に設置されている電力計は逆回転しないので、電力会社に電力を返還しても、その分電力料金が割引になるわけではなく、鉄道会社としては何も嬉しくありません。もちろん回生失効せずにすむので、制輪子を消耗せずに済むといったメリットはあるのですが。そこで、回生電力融通装置を設置して隣の変電所の饋電区間に電力を融通できるようにして、自社内の負荷に回生電力を供給するということですね。鉄道会社にとってのメリットの話です。

直流電化区間であれば、大昔の回転変流機の時代であれば逆潮流できるのですが、シリコン整流器になってからは逆潮流できないので、その変電所の饋電区間内で消費できない回生電力があると、架線電圧の上昇になり、車上の制御で回生ブレーキを失効させて空気ブレーキを立ち上げるという操作をしていました。そのためエネルギーを熱に変えて捨てていたわけで、こうした場合であれば融通装置を付けることで、純粋にエネルギーの節約になりますね。

こういう装置が導入されるようになったというのは、十分安くなってきたということなのでしょうか。気になります。

この記事へのコメント

たづ
2019年11月30日 00:59
シリコン整流器一辺倒になってしばらくしてから、サイリスタやパワートランジスタで逆潮流ありの直流電化も技術的には可能になったはずなのですが(回転変流機時代からみれば再度)、ほとんどは発電ブレーキばかりだった国鉄線や、逆潮流しなくとも回生負荷が別にある都市部で使うことが多かったせいか、全く普及しませんでしたね。
あったとしても、つくばエクスプレスの交直接続点最寄りの直流変電所くらいでしょうか。あれは若干事情が違いますが。
Tamon
2019年11月30日 01:23
変電所に置く設備が高価になるのが嫌がられたんでしょうね。省エネ効果ではなかなかペイしないのじゃないかと。