ラスベガスの新しい乗客輸送システム

アメリカの起業家・発明家のイーロン・マスクが提唱していた超高速乗客輸送システムが、来年にはラスベガスで開通するそうです。しかし、読む限りではそう大したものではなさそうな。

本来イーロン・マスクが提唱していた超高速輸送システム「ハイパーループ」は、減圧したチューブ内をリニアモーターで推進されたポッドが超高速移動する、というものだったはずです。しかしこの記事を読む限りでは、自動運転の電気自動車が小断面のトンネル内を走るという輸送システムにしか見えません。これではそう大した技術進歩ではありません。

1.3kmのトンネル2本を約57億円で施工というのはどうでしょうか。現状日本で地下鉄を1km造ったらざっくり200億円と言われていますが、これは駅設備などを含んでいますし、複線でずっと大きな断面を掘っています。先の構想では普通の自動車よりちょっと大きい程度のものを走らせるはずなのでずっと小さい断面のはずで、いかに日本より物価が高騰しているアメリカといえど、そう大して安い建設費用ではないように思えます。もちろんニューヨークで建設が進められているイーストサイドアクセスみたいなバカ高い建設費ではないのですが。

結局、従来型の地下鉄のような大きな断面で大輸送量を発揮する鉄道システムに対して、ずっと小さな断面で1両当たりの輸送力を落とし、コストダウンを図ったら、1人当たりのコストはどう変化するのか、といったあたりにこのシステムが今後受け入れられるかどうかの肝がありそうに思います。都市輸送システムに新たな解がありうるのでしょうか。そうは言っても、絶対的な輸送量は小さくなるはずだし、端末での乗客の乗り降りをどう処理するかもまた大問題のはずなので、現状の地下鉄システムを淘汰可能であるとは思えませんが。本当に来年開業するなら、そのあたりの評価がどうなるのか楽しみです。

この記事へのコメント

たづ
2020年01月11日 23:31
ITで起業した近年の実業家の特色なのでしょうか、最初に大きな構想をぶち上げておいて資金を集め、実際にプランを実行に移す時にはその集まった資金分程度に縮小しているケースが多いような気がします。
「とにかく安くやる」というのが口癖のような実業家もいたと思います。
理屈上、一応はそうなのですがなにか引っかかるものを感じていたら後で大ごとになったケースもあります。
あまりこういうやり口を大掛かりにやるのは、あとに続く起業家を萎縮させかねず、個人的には感心しない物だと考えています。
Tamon
2020年01月12日 00:33
イーロン・マスク関連だと、スペースXの方はなんだかんだで技術的な目新しいところが出ているので、それに比べるとこっちはなんだかなあという感じがしますよね。