クラ地峡鉄道

タイで、クラ地峡に鉄道を敷設するそうです。第二次世界大戦中にタイとビルマを結ぶために泰緬鉄道を建設したことはよく知っていましたが、その補助の目的でクラ地峡にも鉄道を敷設していたとは知りませんでした。いったん廃線になっていたものの、今になって再建するのですね。

戦時にビルマへの増援輸送が必要なのであれば、クラ地峡という最短経路となる場所に鉄道を敷設するというのは理解できる考えです。泰緬鉄道は急設したこともあって輸送力に限りがありましたしね。一方で、インド洋に出ると連合国軍の脅威が大きいので、クラ地峡のインド洋側からビルマへ船舶輸送するのは困難を極めただろうと思います。やはり泰緬鉄道のように直接ビルマ国内へ通じている鉄道の利用価値が高かったのではないでしょうか。

ひるがえってみて、現代の輸送においてクラ地峡の鉄道がどこまで利用価値があるかというと疑問です。何と言っても、いったん船から鉄道に積み替えて、再度船に積み替える必要がありますからね。確かにマラッカ海峡は混雑していますが、それでも鉄道を中継することによる手間暇を正当化できるほどでしょうか。スエズ運河では、そのままの喫水では運河を通航できない船が、一部の積み荷を鉄道に載せて送ってしまうことで運河を通航できるようにすることがあると聞きますが、マラッカ海峡では素直にロンボク海峡に回るのではないでしょうか。軍事的には、マラッカ海峡が封鎖されてしまったときの対策として意味があるのかもしれませんが。

やはり大本命はクラ地峡運河なんですよね。船でそのまま通航できることに勝る利便性はありません。もっとも標高75メートルもあるそうなので、閘門式にしても海洋を行く大型船舶を通せる運河を建設するのは非常に大変そうです。十分大きな船を通せる運河でなければ、マラッカ海峡周りと大差なくなってしまうでしょうし。なかなか微妙なところですよね。

この記事へのコメント

たづ
2020年01月29日 23:25
ベトナムあたりから、そのまま鉄道で直通してミャンマーで船積みするのであれば、合理的な選択肢だと思います。
通過国の鉄道の規格の大枠は揃っていますし。
タイで陸揚げ、ミャンマーで再度船積みでは時間のムダが大きいですが。
Tamon
2020年01月30日 00:19
なるほど。カンボジアとタイの間はとりあえず復旧工事が終わって線路が繋がりましたが、歴史上線路が繋がったことのないベトナムとカンボジアの間を早く何とかしなければならないですね。