ドイツの列車妨害事件

ドイツのケルン-ライン=マイン新線で、レール締結ボルトを80メートルにわたって外されているという妨害事件があったようです。列車が通過した際に運転士が違和感を覚えて発覚したそうですが、ということは当該区間を列車が通り過ぎているわけで、よく脱線せずに持ちこたえたものです。1本や2本のボルトならともかく、80メートルにもわたってボルトが外されていたわけですから…。

専門ではない人が書く記事としていつものように、表現が変なところがありますね。ICEの橋、とありますが、ICEは列車種別であって鉄道路線ではないんですよね。ICEを通すように造られた高速新線は、Neu Bau Streckeを略してNBSと呼びます。ICEは一般路線も走りますし、またドイツで最初に造られたハノーファー-ヴュルツブルクNBSなどは貨物列車も走ります。このケルン-ライン=マイン新線はICE専用だったとは思いますが、ICEの橋というのは違和感ある表現です。

あまり急なカーブとかでなければ、横圧が十分低くて何本かの列車の通過にはレールが持ちこたえてしまうものなんですかね。JRになってしばらくの頃に、東海道新幹線でレールにチェーンを巻き付けてあった妨害事件があったのを思い出しますが、あの時もチェーンを車輪で切断して何の問題もなかったかのように通過していました。鉄道は、微妙なバランスで成り立っているものですが、そのバランスをうまく崩すような妨害工作でなければ、案外耐えてしまうもののようです。

今回、レール締結ボルトを外した後横にレールをずらすようなことをしていれば、確実に列車が脱線したでしょう。しかし、レールをずらすと軌道回路電流が途絶えて列車が停止するので、ブレーキをかけても止まれない至近距離に列車が接近してからレールを外すのでない限り、実際に列車が脱線に至ることはありません。また、素人の1人だけの犯行では、非常に重くまたロングレール化もされているようなレールを横にずらすような作業は困難でしょう。正直、ボルトを外すのもよく素人がやったなとは思ってしまうところです。

それにしても大事故にならずに幸いでした。

この記事へのコメント

たづ
2020年03月23日 21:50
日本だと戦後すぐの松川事件などで実際に列車が転覆する重大事件になっていますが、今回ドイツで80mもボルトが抜かれていてもそのまま通り過ぎれた理由として思い当たるものが2つあります。
まず、ドイツの大概の路線は標準軌です。日本の事例だと京急線が脱線転覆を極力避けるために与件である標準軌に加えて先頭車を動力車に限っています。文面だけではICE1~3・Tのどれかなど全くわかりませんが、この先頭車が動力車であったなら京急と同じ条件になったはずです。
次に従前の列車よりは軽量化に留意する高速列車とはいえ、ドイツの鉄道は日本より軸重が大きいので、ネット上や紙面に上がるドイツの鉄道のコンクリート枕木の画像は概してがっしりしています。単にがっしりしているだけでなく、枕木のコンクリート部材が締結金具の横全面を受けている印象です。ボルトを抜いただけではレールが横にずれにくい形なのでは、と思いました。
Tamon
2020年03月24日 00:22
ケルン-ライン=マイン新線は40パーミル勾配がある関係で、動力分散車両に限定されています。なのでICE3かICE4だと思われます。
昔の犬釘で止めるレールならもっと弱かったんでしょうね