新茂倉信号場

新茂倉信号場について調べていました。上越線で群馬県と新潟県の県境に位置する清水トンネルは、戦前に完成したときは単線だったので、長いトンネルの中に列車交換用の茂倉信号場という施設が置かれていました。戦後高度経済成長期になって複線化されることになり、新清水トンネルが建設されて下り線になり、従来の清水トンネルが上り線となりました。複線にするのであれば、列車交換設備は不要なはず、と思うわけですが、その新清水トンネルの中に新茂倉信号場なる施設があるらしい、という話を聞きつけて、なんだそれはと思ったわけです。

今回、新清水トンネルの工事誌を参照することができたのですが、これは実際に完成した設備ではなく、準備工事でした。将来的に逆線運転をする可能性があるとして、列車交換ができる信号場を建設できるだけの複線断面の区間が設けられているのだそうです。しかし、逆線運転用の信号設備は結局設置されなかったので、そのままだったようです。保線作業の都合を考えて、単線運転もできるようにするつもりだった、ということでしょうか。

仮に単線運転ができる設備で完成されていたら、その後上越新幹線開業で大幅に列車本数が減った際に、あっさりと新清水トンネル経由の線だけに単線化されてしまって、清水トンネル側が廃止になっていそうです。実際には複線での運転しかできない施設なので、単線化しようとするとかなり信号設備に手を入れることになって、それがネックで単線化するのが難しいみたいな話を聞きます。

トンネル内に設けられた土合駅の下り線についても、通過線と着発線を設けた追い抜き対応の設備なわけで、それが必要だと考えられた高度経済成長期の上越線の列車密度をうかがわせる話ですね。

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