球磨川の駅・ものがたり

球磨川の駅・ものがたり』を読み終わりました。人吉地方在住の方が、肥薩線の八代-人吉とくま川鉄道の駅について、1駅ずつたどって丹念に歴史などの解説をしているという本です。こんな本が出ていたとは知りませんでした。

1駅ごとに丁寧に参考文献が付けられており、その点はとても良いです。過去の新聞記事や郷土誌、関係者からの聞き書きなどが主な出典のようですが、ウィキペディアを使ってしまっているのは残念です。本来的には、ウィキペディアではなくさらにその出典になっている文献を使うべきところです。

ただ文章としてはかなり散漫な感じがします。思いついたこと、聞きつけたことを次々に書いていったという感じであまりまとまりがありませんでした。綺麗に歴史の流れを解説し、その後でエピソード類をまとめる、みたいな構成にすればいいのにと思ってしまいます。

しかし、湯前線の途中にある橋は多くが河川改修に伴う架け替えや延長工事を受けているようで、それについてきちんと触れているのが素晴らしいです。構造物に関しては無視されがちなんですよね。新旧の切り替え前後の写真を収録しているところもあります。肥薩線の側でも、瀬戸石ダム建設に伴ってトンネル経由に切り替えられた区間がありますが、ここの新旧の写真も掲載されています。よく集めてきたものです。

どんな産業があって駅の脇にどういう作業場があった、みたいな話も丁寧に書かれているので、とてもいい感じです。内容的には改善の余地があるものの、この辺りに興味があるなら読むべき本かもしれません。

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