無蓋車の本

無蓋車の本(上)』と『無蓋車の本(下)』を読み終わりました。RM LIBRARYで時折出る貨車シリーズの本です。当然執筆者は貨車研究の大家、吉岡心平氏です。

これまでに冷蔵車、大物車、有蓋/無蓋ホッパ車、控車という車種の解説がRM LIBRARYで出ており、そのほかに車体構造で分類した3軸貨車の巻、黄帯を巻いた貨車というタイトルでヨンサントオの65km/h制限貨車をまとめたもの、白帯を巻いた貨車というタイトルで事業用貨車をまとめたものもありました。構造などで分類しても面白いことは確かなのですけど、やはり車種別にきっちり全車両を固めていく方が私には好きですね。ということで、類例の本を求めていました。

ここで一気に無蓋車の本、とかなり広い範囲をカバーしなくてはならない本が出ました。もちろん、屋根のない貨車全般という意味の無蓋車ではなくて、国鉄の車種記号で言うところの「ト」に当たるものですね。しかしそれでも車種が多いわけで、私鉄買収貨車などは省略されています。改造車も載っていないので、やはりもう少し紙幅を増やして3巻構成にしてでもそのあたりまでカバーしてほしかったものです。

それでも、各車種の設計の経緯、先行設計との違い、無蓋車の運用の仕方までいろいろ触れられており興味深いところです。大量に造られて雑多な仕事に割り当てられていた車種で資料も少ないはずなのに、よくここまで調べるものです。餅は餅屋というか。年ごとの在籍車数も載っているのですが、いったん急減した後に急増している車種があって、なんだこれはと思ったら一旦増トン改造されて他車種に編入されたものが、不便だったのでまた戻す改造をされて元の車種になったのだとか。しかし、屋根のない貨車で台枠や足回りなどが腐食しやすかったらしく、意外と車齢が短いのが驚きでした。

さてここまで出ると、有蓋車も出してほしいところですね。こちらの方がもっと大変でしょうけれど。

この記事へのコメント

たづ
2020年10月16日 23:47
この本の上下巻は国鉄(特に鉄道省~日本国有鉄道)だけを対象にしているので当然ながらJR貨物トキ25000形(ハイフンナンバー車)は載っていないのですが、この上下巻の記事で知りたいことが大体推測でき満足しました。
一般に36t(国鉄車)→40t(JR車)のような増トンがあると何らかの改造・改設計があるはずなのですが、これまで全くそのような資料に当たれなかったのです。
結局は積み荷の比重と設定軸重で車体はほぼ無変更、運用区間に線路の弱いところは無いため台車の変更により軸重を13tから15tに引き上げただけで積車重量60t弱に出来た、というカラクリだったようで。
積荷別の荷重標記のくだりは有意義でした。
Tamon
2020年10月17日 00:13
貨車はどこに行くかわからないから、一番低い規格に合わせてますもんね。限定運用するだけで積載能力が向上しますね。確かにああいう制度面は外から見ているだけではわかりませんね。車運車の本でも、容積に比して軽くなってしまう貨物に関する運賃計算特例の話が書かれてましたし。