地下鉄の無料乗車証

韓国で、地下鉄の無料乗車証が問題にされているようです。高齢者や障害者に無料で地下鉄に乗れるパスを配布しているということで、日本でも都市部でそういうパスを実施しているところがありますね。日本だと、実施している自治体が交通機関に使用程度に応じて支払いをしているのですが、韓国ではそうではないようです。公営だから、ということなのでしょうが。

6つの都市の地下鉄で合計1000億円ほどの損失が出ている、というのにまず驚かされます。日本だともうこれほどの損失が出る公営交通事業はなくなったと思います。そして無料パスによる乗車額は600億円ほどなので、なるほどこの規模からすると公的補助を求めるのもよくわかる気がします。本来的に福祉政策なのであれば税金から負担するべきものなんですよね。

日本だとこのほかに、学生への定期券の割引が問題になっていました。一般の通勤定期券であれば、ラッシュ時の利用に偏るので、もっとも需要が高いサービスを利用する人にもっとも割引を大きく適用する経済的不合理を指摘されることはあるものの、それでもたくさん利用する人への割引サービスと考えれば民間企業であっても普通にあっておかしくない存在です。しかし、学生に対しての輸送サービスが会社員のそれに比べてコストが安くなる道理はないので、通学定期券を通勤定期券に比べて安くすることは、民間企業的な見地からは説明できないものです。このような割引は社会的な見地から行われているもので、そのコストは本来は税から負担するべきだ、という指摘がしばしば出ているものの、実際には企業内で内部補助をすることを前提に、一般の運賃をやや高めに認可することで賄う、という方策が続けられてきた経緯があります。ヨーロッパだとこれも税負担なんですよね。

まあ公共交通機関の運賃に関しては実にいろいろな理由付けが考えられて、難しいものなんですよね。

この記事へのコメント

旅の途中のとおりすがり
2020年11月28日 18:17
障害者割引も日本では税負担ではなく企業の内部補助(最終的には健常者の利用者の負担)ですね。
 これに似た制度に関して、1週間ちょっと前に不祥事のニュースが出ていました。東京都交通局の都庁前駅の駅員が、障害者である彼の母親に対して発行された無料乗車券を自分で使って逮捕された、というものです。この無料券は、交通局の内部補助でなく、都本体や市区町村の福祉予算から交通局に支払いがなされているのかもしれませんが。
Tamon
2020年11月30日 00:47
そうなんですよね。都交通局の場合無料券だと福祉予算が多分出ているでしょうね。