長野電鉄百年探訪

長野電鉄百年探訪』を読み終わりました。鉄道関係の公文書の研究で知られる今尾恵介、長野電鉄と信濃毎日新聞社が協力して執筆した、長野電鉄の百年史に相当する書籍です。80年史の時は長野電鉄が自ら刊行したようですが、今回は外部に委託して、しかも一般の手に取りやすい書籍にするという感じだったのでしょうか。島原鉄道もネコパブリッシングの企画で111年史を出していましたけど、こんな感じの社史が今後増えるのでしょうか。相模鉄道や長崎電気軌道のように、社史をPDFにして会社の公式ウェブサイトから自由にダウンロードできるところも出てきています。

構成としては、公文書および信濃毎日新聞の過去記事を基に、長野電鉄の歴史を順次描いた部分と、全駅探訪や構造物の解説などの資料のところ、そして長野電鉄の思い出エッセイコンテストの入賞作を紹介している部分とにわかれています。エッセイは、それはそれで読んで面白いのですけど、やはり私としては前段の歴史を描いているところが面白いです。全駅探訪は、1駅についてもう少し紙幅を割いて詳しく説明してくれた方がよかった感じです。

路線の延伸構想がいろいろあったのが面白いですね。長野側でも信越本線に沿って南へ伸ばす構想があったとか。木島の先もありましたし、湯田中の先もありました。結構実現しそうな感じのものもあったのですけど。

車両については、OSカーや2000系など、トピックになりそうなものは通史の中で取り上げられているのですけど、残念ながら歴代すべての車両を解説するというところはありません。鉄道ファンが興味を持ちそうなところですけど。それよりも一般にも興味を持たれそうなところに集中した感じでしょうか。資料編もあまりデータが詰まっている感じではなく、やはり一般的な社史とは様相を異にする感じです。

内容としては申し分なく面白く読めました。一方でやはり車両をきちんと解説するところが欲しかった感があります。

この記事へのコメント

長野在住
2020年12月13日 23:59
長野電鉄は20年ごとに社史を編纂しており「100年のあゆみ」も普通に編集が進んでいるはずです。推測ばかりでなく、会社に聞いてみたらどうですか。
Tamon
2020年12月14日 00:05
そうなんですか。ブログに書く程度のことで会社の方を煩わせるのもどうかと思いまして。