空知の鉄道と開拓

『空知の鉄道と開拓』を読み終わりました。2001年に空知地方史研究協議会というところから出た本です。地方史を研究して定期的に雑誌を刊行し、あるいはそれをまとめた本を作っているようで、サークル活動みたいなものでしょうか。

空知という地域がどれくらい地理的なまとまりがあるのか、土地勘がないのでよくわかりません。北海道において、かつての支庁、今の振興局がどれくらいまとまりがあるものでしょうか。あえてその単位で区切って歴史を研究しているというのが面白いところです。北海道史でもいいようなものなのに。この本の中でも、幌加内が空知に属することには議論がある、と触れていて、実際その後上川総合振興局に属することになったのですよね。

おおむね、路線ごとに建設の経緯から現状または廃止に至るまでの一連の流れを記述し、そして駅ごとに歴史解説を加える、というようなスタイルです。炭鉱への専用線や森林鉄道などまで取り上げて記述しているところはさすがです。駅の歴史についても、さすがに地元の人だと思う内容が書かれているところがありますが、一方で路線によっては歴の歴史は単に改廃の年月日が書いてあるだけのところもあります。空知中心視点なので、函館本線など路線の途中だけ取り上げられていますし、なかなか不思議な感じのする記述になってしまいますね。

鉄道が詳しい人は入っていないそうで、やはり専門用語など微妙なところがあります。そして誤字が結構多くて、歴史を書くことを続けてきた人たちのはずなのに年号があからさまな間違いをしているところが多々見られて残念です。内容としては面白いのに。

これを通して読むと、石炭の時代って短いなと思います。夕張や幌内などは北海道開拓の初期から取り組まれているので歴史が古いですけど、大正も末期から昭和初期にやっと開山しているところもあちこちあります。そうして頑張って全盛期を迎えるのに、昭和30年代に入るともうスクラップアンドビルド政策が始まって斜陽になってしまうのです。30年ほどしか全盛期がない炭鉱というのも普通にありますね。

なかなか面白い本でした。

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