複線の廃止

鉄道で、コスト削減のために閑散化した線区の複線を止めて単線化するのはどうなのか、という話題が出ていました。単線化は過去に、御殿場線や阪急嵐山線の例はありますが、これは戦時の資材供出目的であり、費用削減目的で撤去する話はあまり聞きません。最近、えちぜん鉄道の福井付近を単線化したらしいですが。

単線にしても、列車本数を減らさないのであれば、残る線路の通過トン数は倍増します。保線の費用は、通過トン数に依存するところが大きいので、単線にしても費用半減などしないのですね。もちろん、通過トン数に依らず、設置しているだけでかかる経費や経年による老朽化もあるので、いくらかは減るはずですが。そして、交換設備をそれなりに設置すれば、高価な分岐器が増えて、その保守費用も高いということになります。思ったほど費用が減らないのですね。

そして、単線化するにはそれなりに信号設備に投資しなければならないので、初期費用がかなりかかり、それならそのままにしておこうか、ということになりやすいようです。これが逆転するのは、災害で一部の設備が損壊して作り直さなければならないときで、その際には単純化した設備で復旧しようとなります。室蘭本線のトンネル崩落事故で、復旧せずに残った方の線路を使って単線化したのがいい例ですね。

その割に単線の交換設備の撤去例はたくさん見かけるのは、分岐器を減らすことの保守費用削減が大きいのでしょうね。実際どの程度の費用なのかは決して公開されない値なのですけど。外野から観測するだけでもこんなことだろうと思われます。

この記事へのコメント

たづ
2021年08月09日 01:07
災害による逆転事例の1つが、常磐線の最後の復旧区間の1つ大野~双葉間でしょうね。
避難路という理由もありましたが、何でここを?と当初訝りました。ただ、前後も単線区間でそもそも行き違いだらけです。東北新幹線開業前の輸送量では単線化などありえない話だったと思いますが、2000年以降を前提にした輸送需要では減らしても問題がないのでしょう。
6箇所の交換地点を4か5箇所に減らす、程度なら可能かと思います。
複線化や合流地点の延伸が難しく逆に手前で単線にする予定の東青梅駅もある程度似た事例かなと考えます。
旅の途中のとおりすがり
2021年08月09日 08:27
分岐器に費用が掛かることを考えると、ある程度の長さで連続した複線区間を単線化するのは交換駅のための費用が増えるので不利になりますが、単線区間中に断続的に混じる短い複線区間を単線化するのは分岐器の費用があまり増えないので行われやすいはずです。実際、室蘭本線の栗山-栗丘、常磐線の大野-双葉ともにそういう区間ですね。
Tamon
2021年08月11日 00:50
常磐線は、貨物列車の交換もできないような短い有効長の交換設備にした割に、将来の延長に備えた準備工事があるとかいうよくわからない設備になりましたね。
確かに単線と入り混じっている区間なら、複線を撤去しても分岐器は増えないですね。