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zoom RSS 本当にあった陸自鉄道部隊

<<   作成日時 : 2016/02/21 13:00   >>

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本当にあった陸自鉄道部隊』を読み終えました。陸上自衛隊にかつて存在した、第101建設隊について解説した本です。

第二次世界大戦までの日本陸軍には、鉄道連隊という部隊が設定されていて、戦場における鉄道の敷設・修理・運行、そして場合によっては破壊を担当していました。それほど鉄道が軍の兵站に占める重要性が高かったからです。そして、第二次世界大戦後に再建された陸上自衛隊においても同様のことが考えられたようで、1960年に第101建設隊という名称で発足し、かつての鉄道連隊ゆかりの千葉に駐屯していたそうです。国鉄の労使関係が、後年ほどではなくても既に悪化しておりストライキの心配もあった時代に、いざとなれば陸自で国鉄の営業を行うことも考慮にあったようです。しかし、時代は急速に自動車利用の時代に移り替わって行き、1966年に解散されたようです。

この本は、発足の経緯から、具体的にどのような資材を入手して訓練をしていたのか、解散の経緯、といったものを解説しています。国鉄から9600形蒸気機関車を入手して運転の訓練をしていたことや、そのほかの貨車類などについても一通り解説をしています。旧軍の貨車類を使っているところが多いようですね。ただ、6年しか存在しなかった部隊だと、あまり解説できるところは多くないのか、割と薄目です。内容自体は割としっかり調べて書かれています。

後半は、防衛研究会というところが「軍事と輸送」と題して、本来の対象である第101建設隊に限らず軍事と輸送との関係を幅広く解説した内容になっています。ただ、この記述を読む限りでは、現代の軍事に対する鉄道の貢献を過大評価している感じがします。もはや、鉄道が軍事に果たす役割は大きくない、というのが私の認識です。普段から自動車に圧倒的に負ける程度の貨物輸送量しか達成していないのに、自動車で運べないような大量輸送を有事に実現できるとは考えられないのです。

国鉄末期の特定地方交通線廃止の際に、大湊線は防衛庁の要請で存続になった、という趣旨のことを書いていますが、たとえ防衛庁が実際に国鉄に要請をしていたとしても、大湊線は廃止例外条件の4にあたる「平均乗車キロが30kmを超え、輸送密度が1,000人/日以上」に該当して存続したのであって、要請が影響したためではないと思います。国鉄は、個々の事情は判断せずに廃止決定していましたので、どこかから特別な要請があったからといって残せるような状況ではありませんでした。そういう要請を認めていたら、他にも様々な理由を付けて要請が寄せられて、結局廃止できなくなるからです。

コンパクトにまとめられている本で、中身はしっかりしていました。こういう過去の部隊について知りたい人はそこまで多くないのかもしれませんが、まとめておいてくれてよかったという内容です。

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