日々題

アクセスカウンタ

zoom RSS JR九州上場

<<   作成日時 : 2016/10/25 13:00   >>

トラックバック 0 / コメント 0

JR九州が、今日上場したようです。鉄道建設・運輸施設整備支援機構が保有していたJR九州全株式を1回で放出しました。

これまで、国鉄分割民営化で発足したJR各社のうち、JR東日本、JR西日本、JR東海の順に全株式が市場に放出されて、完全民営化が達成されてきました。残る鉄道事業JR各社は、JR九州、JR四国、JR北海道のいわゆる三島会社と、JR貨物があります。本州の3社が、順調に利益を上げられると見込まれて、国鉄債務の一部を分担する形で発足したのに対して、三島のJRは利益を出せる見込みがないと、鉄道事業の赤字を補填するための経営安定基金を受領して発足しました。JR貨物は、国鉄債務を分担して発足した点では本州3社と同じであるものの、その額はずっと少なく、しかも鉄道事業は赤字になることの方が多いという状態です。

JR九州は、この利益が見込まれない三島会社の中で、最初に上場を果たしたことになり、大きな意義があります。建前上は、すべてのJRが上場を目指すことと国鉄改革の時点で決まっていましたが、実際には、三島と貨物の上場は難しいと誰もが考えていたはずです。しかし、JR九州はそれを乗り越えて上場を果たせる状態に漕ぎ着けました。これは、三島の中では九州が人口も産業も恵まれた状態にあったという地の利に加え、歴代のJR九州経営陣の手腕が重なったものだと思います。

経営安定基金を全額使う形で、新幹線の線路使用料の前払いと、固定資産の減損処理を行ったことにより、次年度から線路使用料の支払いと減価償却費が減少することになり、これにより鉄道事業は黒字転換を果たすことになりました。しかし、新幹線の線路使用料は20年分の前払いということなので、20年したら再び負担が始まります。固定資産の減損処理も、同じように鉄道事業を続けていくからには更新投資を続けなければならないわけで、以前もこのブログで書きましたが、やがては固定資産額が回復して減価償却費が重荷になることが考えられます。本当にこの後、安定的に経営して行けるのかが心配です。もちろん、JR九州は関連事業がとても巧みであったため、鉄道事業の赤字を関連事業の黒字で埋め合わせることができる状態になっており、元通りの鉄道事業の収支に戻ったとしても直ちに企業の存続に影響するわけではないのですが。

四国と北海道の2社については、おそらく今後とも経営状況を回復して上場を果たせるような状態になることは、無いと思います。むしろ、国が支援を強化しなければならないような状態になるだろうと予想しています。あるいは、JR7社体制を大きく組み替えるような改変が必要となるかもしれません。一方、黒字と赤字のラインを行ったり来たりするJR貨物については、旅客会社に対する線路使用料の支払いがアボイダブルコスト方式となっていて、不自然に軽減されているという問題があります。上場会社が、他の上場会社から事実上の支援を受けている制度を続けてもいいのか、という疑問があるため、このままでの上場はやはり難しいだろうなと思います。アボイダブルコスト方式を止めてしまったら、JR貨物の経営はとても持ちません。

今回のJR九州上場は国鉄改革の一つの帰着点だと思います。今後は、人口減少がいよいよ進行していく中で、公共交通をどの程度に維持するのか、という観点からの再編が始まる流れなのでしょうね。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
JR九州上場 日々題/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる