ジェットフォイル

ジェットフォイルの後継が危機にさらされているそうです。こんな事態になっているとは知りませんでした。

もともとはボーイングが開発した船で、ボーイング撤退後は川崎重工業が建造権を買い取って建造したそうですが、特殊な船なので特別な部品が必要で、まとまった需要が無いと生産体制を組めない、ということだそうです。初期にあちこちの会社が導入してある程度の数が出たものの、船の耐用年数は長いので一通り行き渡るとそこで発注が止まってしまい、製造を再開するためにはかなり大きな発注をまとめて出すしかない、ということになっているのですね。

ジェットフォイルは、船としては大変高速ですし、あまり揺れなくて快適だという話です。ただ、フェリーではないので自動車の積載ができず、その点でなかなか厳しいニッチ市場を狙わなくてはいけません。対離島交通では、とにかく速く行きたければ、その島に空港さえあれば航空機で行くのがたいていは最速です。一方、大量の貨物を運ぶためにはトラックをそのまま搭載でき、コンテナも場合によっては積載できるフェリーを使うのが最適です。したがって、ジェットフォイルのような貨物輸送には向かない旅客を高速で運ぶ船というのは、競争相手は航空機であり、長い航路だと到底航空機には勝てなくなるので、ジェットフォイルが向いた航路というのは限られてくるということですね。新幹線が航空機と競争するときに、空港アクセスや搭乗待ちにかかる時間を考慮すると、中距離までが勝てるエリアであるとしているのと似ているわけです。そこで、空港が市街地から少し離れているのに対して港は市街地に近く、すぐそばの港からジェットフォイルに乗って、一定の範囲内に目指す離島があれば、空港まで行って飛行機に乗るよりは早くて安く便利、という状態を形成でき、ここにジェットフォイルの需要が生まれます。そしてこの状態を形成できる交通市場は、限られているのもまた事実ですね。

さて、国内だけでもある程度ジェットフォイルの需要があるのは間違いないので、船会社同士で打ち合わせて一斉に更新の発注を掛けるくらいしか、思いつく対策が無いです。共同で船舶保有会社を立ち上げるということになるでしょうか。あとは、輸出の需要を何とか見いだせないものでしょうかね。台湾本土から澎湖諸島とか、フィリピンの離島群とか、そのあたりで何とか需要を見出して輸出することで、コンスタントに建造できないものか、と思います。

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