建設概要

今日は鹿児島県立図書館を訪れていました。ウェブからの蔵書検索で、鉄道の工事誌があることが分かっていたので、それを閲覧しました。

工事誌といっても、戦前くらいのものは「建設概要」という名前が付いていることが多いようです。鹿児島県立図書館で収蔵されていたのは、志布志線、川内線、肥薩線、高森線、長原線の5路線です。他に、『東京市街高架線東京上野間建設概要』も所蔵されていますが、これは国会図書館デジタルコレクションでもウェブから閲覧できるものなので、今回は閲覧しませんでした。

川内線とあるのは、鹿児島から西海岸に沿って北上する、のちに鹿児島本線となる川内までの区間のことです。肥薩線は、現在の肥薩線とは異なり、やはりのちに鹿児島本線となり、今は肥薩おれんじ鉄道となっている、川内-八代の区間です。人吉・吉松を通る側が当初の鹿児島本線だったので、別途西海岸沿いの線路を造る際には、そちらが肥薩線の名前で工事され、完成後に名前を入れ替えられたのです。志布志線と高森線は完成後の路線名と同じなので自明ですが、長原線とはどこだ、と思っていました。これは、長尾(現在の桂川)と原田の頭文字をとったもので、筑豊本線の終点側のことを指していました。

どうも、鉄道省熊本建設事務所が大正から昭和初期にかけて工事した路線について、同じような体裁で工事誌にまとめて、図書館に寄贈していたようです。それでこのような資料が揃っているのですね。内容はほぼどれも似たような章構成で、写真集、工事の経緯、線路選定、工区ごとの工事の進め方、構造物や材料、工費などのまとめ、担当者の列挙、線路平面図と縦断面図などで構成されています。ページ数が少ないので簡潔ではありますが、大体どのような工事がされたのかがわかります。線路選定についてもう少し詳しく書いてくれれば面白いのですが、比較線について言葉で簡単に説明しても図が付随していないので、よくわからないところがあります。どうも鉄道関係の資料は、政治的な側面も出てくるためなのか、どうしてそういう線路を選んだのかをあまりしっかり書かない気がしますね。

とにかくこういう資料を読むのが好きな人間にとっては、簡潔であってもきちんと記録が残してあるだけ嬉しい、という感じです。もはやあまり経緯が分からない路線もあるんですよね。昭和後期になってすら、公団AB線などできちんと工事誌が発行されていない路線は結構あります。さすがにこの時代になると、公団やそれを継承した鉄道・運輸機構に内部的には工事資料が残されているのだろうとは思いますが。なかなか公にはならないのですよね。

時代背景から、単位がマイルやチェーン、フィートで記載されているのが面倒ですが、まあなかなか楽しめました。

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