整備新幹線 紆余曲折の半世紀

整備新幹線 紆余曲折の半世紀』を読み終わりました。著者の鶴通孝氏は鉄道ジャーナル編集部の方で、つまり『鉄道ジャーナル』を執筆する傍ら、取材した知識に基づいてこの本をまとめたようです。単に『鉄道ジャーナル』掲載記事をまとめ直しただけ、という感じではないようです。

全国新幹線鉄道整備法以降の、基本計画と整備計画の設定の流れ、国鉄分割民営化に前後して着工をめぐる政治的動向、財源スキームの変化など、一連の整備新幹線をめぐる経緯がうまくまとめられていました。技術面より、制度面・財務面での理解をしたい人にとっては、最適な本ではないかと思います。そうした一般論とは別に、各整備新幹線の個別の事情を路線ごとにまとめたページもあり、2本の軸になっているように思います。

ただ、ミスも見受けられますね。18ページ、7200キロに及ぶ新幹線建設計画を指して、当時の国鉄延長の3分の2と書いていますが、3分の1の誤りですね。20ページ、鉄道敷設法の廃止が1986年(昭和61年)12月だと書いてありますが、これは鉄道敷設法の廃止を決定した日本国有鉄道改革法等施行法の公布された年月です。その附則第1条に書かれている通り、施行は昭和62年4月1日とされているので、実際に鉄道敷設法が廃止されたのは1987年(昭和62年)4月1日です。

37ページ、京葉線の東京駅地下ホームは、成田新幹線のために建設していたものを流用したもの、と書いてしまっています。これはあちこちで見られる誤りですが、成田新幹線当時には東京駅では、東北新幹線高架橋下の、現在は京葉線への連絡通路となっている部分を工事しただけで、実際のホーム部の掘削は始まっていませんでした。今の京葉線地下ホームは、京葉線の東京駅乗り入れが決定されてから掘削したものです。位置としては成田新幹線に計画していた場所ではあるのですが。

まあこんな感じなのですが、大変よくまとめられている本だと思います。

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