肥薩線の近代化遺産

肥薩線の近代化遺産』を読み終わりました。本自体は2009年に発売されたもので10年も前のものですが、このほど古書で入手して読みました。

単に古い施設の写真を撮って載せただけとか、通り一遍の簡単な説明があるだけとか、地元の人のエッセイみたいな解説があるだけとか、そういう本を警戒してしまうのですけど、この本はかなりしっかり調べ込んで、個別の施設についてしっかり解説しています。肥薩線の全体の歴史もよく解説されていますし、驚かされました。建設年代が古すぎて、きちんとした建設報告の残っていない路線なのですけど、頑張っていろいろな解説をしています。巻末の参考文献リストが膨大で、鉄道作業局年報とかが挙げられている時点で信頼できます。

ダムが建設されたことに伴って付け替えられた区間があるというのは初めて知りました。短い区間ではありますが。また人吉駅を過ぎてから架かっている第三球磨川橋梁は、トラス桁を交換してあるのですね。第一・第二が古いままなので、第三も建設時のままなのかと思ったのですが。

全体に古い施設を解説しようとしているので、たとえば霧島温泉駅のように鉄筋コンクリートの新しい(といっても今となってはかなりの年代物ですが)駅舎だとまったく見向きもされていません。したがって全施設を解説するという感じの本ではないのですが、要点は抑えられています。解説のある南の限界が嘉例川駅、というあたりで察せるでしょう。基本的には熊本県の側の人が書いたものなのですよね。

充実した解説に良い写真が付いていて、なかなか優れた本でした。まだ古書でも結構な値段が付くわけが分かりますね。

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