昭島消えた五つの鉄道

『昭島消えた五つの鉄道』を読みました。先日の『追跡! まぼろしの八高線衝突事故』と同じく昭島市教育委員会発行のブックレットです。

五日市鉄道の立川連絡線、中央本線の砂利採集用貨物支線の先につながっていた多摩川砂利木材鉄道、拝島駅から多摩川へ砂利採集用に伸びていた西尾組砂利軌道、五日市鉄道の武蔵田中駅から分岐して多摩川へ砂利採集に伸びていた五日市鉄道拝島支線、そして中神駅から分岐していた軍用専用線の5つが取り上げられています。さすがは多摩川沿いであり、砂利採集用の鉄道があちこちにあったのですね。このうち中神の軍用専用線だけ、戦後の在日米軍専用線になって残っていたので、割と最近まであったようです。

五日市鉄道の立川連絡線は、よくぞ立川から拝島まで青梅電気鉄道と完全並行となる路線の敷設を鉄道省が許したな、という鉄道です。実際は青梅線を複線化した方がはるかに良かったのでしょうけど、異なる会社に輸送を託してしまうことは私鉄としては収益の問題があってできなかったのでしょう。五日市鉄道側の方が沿線の小集落を丁寧に拾って走っていたようで、戦時不要不急線の廃止がなければどうなっていたのでしょうね。

砂利輸送支線は、実態がよくわからないところが多いようです。当時の写真はほぼ残っていないようですし。それでも数枚は引っ張り出してきているのは凄いですね。どれくらいの輸送量だったかもわからないとか。西尾組砂利軌道に至っては、多摩川を渡る橋を架けて対岸から採集していたのだそうですけど、そんな軌道が多摩川を渡るとはおよそ信じがたいです。取り上げられている砂利支線の線路同士が立体交差しているところがありますし、本当に魑魅魍魎ですね。

よく公文書などに当たってまとめられていますし、さすがに専門の人は凄いなと思わされます。筆者は決して鉄道ファンではないと思われるのですけど。この本はお勧めできます。

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